「嫌いなお客さんはこころの中で抱きしめるんだよ」 ~初めて指名のお客さんができた話~
やー、なんていうか、
世知辛いわー。
顔面至上主義。
今日も今日とて朝キャバ。
最初に来たお客さんに私がついて。
もうすでに出来上がってるおじさんが私の顔見て「おーいきなりこの店でいきなり可愛い子が来たかー!!」なんていうからもう内心オホホホホってな具合で隣について。
接客開始5分でその方トイレに立ってついでに他のキャストの待機室覗き込んで、その後支配人になんかこそこそ話してるなーなんて思って呑気に待ってたら
戻ってきた瞬間、真崎の出番終了したよね。
その場で別の女の子に場内指名。
おじさん「ごめんねー」つって笑ってきた。
つられて私も「弱肉強食ー」つって笑った。
えー関西弁かわいい言うてくれた矢先ー。
前もさ、前もさ。
2人で来たお客さんに3人がついて、1人のおじさんと真崎ともうひとりの女の子が挟んでいる状態な時があってさ。
どっちかというと、まぁあっち寄り?
ベイビーボーイ真崎はこーこにいーるーよってテルマばりに左から存在アピールしてたわけだけど、まぁおじさん顔がすげえ右。
しかし、風は突如私に吹いた。
そのおじさん、なんでもB'zの大ファンとのこと。
きたきたきたきたきた。
もう、真崎ときたらB'zですよ。
親の影響でおそらく0歳児からB'zをガンガンに聴いて育った私。子守唄代わりに「LOVE PHANTOM」聴いてたんじゃないかなっていう。
その方が好きな曲名聞いたらまぁ全部分かる分かる。イントロから歌詞からほぼすべて脳内完コピできてる。
そしたらその方も「おぉ君知ってるね」みたいな感じになって、心持ち顔面が左寄りに!ありがとう稲葉さん!松本さん!
で、まあカラオケでB'zいこかってなって
やっぱり「LOVE PHANTOM」だねってなって
途中までその人が歌って途中からバトンを受け取って私がしばらく気持ちよく歌ってて
ふと気づいたら
あれー、おじさんもう右しか見てないー。
もはや誰も聞いてないしみんなそれぞれ仲良く楽しくやってるし誰にも受け継げないマイクを片手に最後までひとり最後まで歌い切ってる。
「いらないなにも捨ててしまおう 君を探し彷徨うMy soul」なんて歌いながらもう存在があてどもなく彷徨ってる。自尊心が行方不明。
っていう、まあ最近あった極端な2例なわけですけども。
毎回毎回こうなわけではないんですよ。
ないんですけども、やっぱりこうなるとちょっと傷つくわけですよ。ブスだの可愛くないだの言われたら、そりゃもう。女の子ですから。(´_ゝ`)ネー
本題。
嫌いなお客さんがいる。
私が一番最初についた席で一番偉い感じだった人。
こちらの記事で私に「ん、お前にご馳走してないぞ」って言ってきた人。
なにやら常連の方だったらしいんだけど、その人にはもう指名の女の子がいるわけで、その子がいなかった時には別の女の子がつけられるわけなんだけど
私が出ていくと
「こいつじゃない方」っていうご要望。
3秒で引き下がる私。
おいおいおいおーい。
この逆場内指名新しいー。
もう、のっけから苦手な人で、その人が来たら「うっ」って思ってしまう自分がいる。できれば関わりたくない。
その人が来る度になにかしら傷つく感じになるのが嫌。ふざけて待機室に入ってきても私だけ一切眼中に入れないみたいな。出ていった後思わずため息。
「っていう感じなんですけど、どうしたらいいですかね。あの人来る度にこんだけ凹んでるん嫌なんですよ。」
相談相手は、私の逆場内指名によって指名を獲得した先輩A子さん。歳も一番上なので必然的にみんなの相談にのってくれるお姉さんみたいな存在になってる。
うーん、と考え込むA子さん。
「でも、真崎が「嫌」って思ってるのがたぶん相手に伝わっているから、相手も同じように返しているだけな気がするよ。」
ちく。
そう。うん。そういうのすごく分かる。
なんならその可能性はちょっと疑ってた。(強がり)
「私もいるんだよね。私のことすっごい避けてくるというか、もしかしたら生理的に無理と思われているかもしれないんだけど、私もその人見たら「うわ…」って思っちゃっていて、たぶんそれが伝わっているんだよね。」
なるほど。
ということは、その人より先に私がその人にこころ開いていくイメージで関わったらいいのか……ん…
んー厳しい。(ビビり)
良い関係性になるまでに、特にきっと最初に飛び込んでいった時には、あっちからまたひどい言葉が返ってくる気がする。このままの関係も嫌だけど、でもその最初の一歩を踏み出す勇気もちょっとない。
そしたら、A子さん。
「嫌いなお客さんは、こころの中で抱きしめるんだよ」
(´_ゝ`)?
「まずは気持ちから。こころの中でその人との距離を近くする。そして抱きしめる。不思議とその人に対してプラスな気持ちが湧いたり、好感的に相手を見れたりするよ。今度だまされたと思ってやってみて。」
なるほど。なんか心理学っぽい。
今度そのお客さんが来たらやってみよう。
しかしあれからその人とは出会っておらず、まだその人を妄想抱擁する場面には至っていない。
そんな折、3人組のお客様ご来店。
ひとりが明らかに偉い。ふたりは部下。
このシチュエーションで私はいつも偉い人につけられている気がする。(参考:私が一番欲しかった3つの言葉 ~社会不適合の新米お水バイトがお客さんを怒らせて帰らせた話~ )
支配人の思惑ー。
前回は私が偉い人のエロノリに耐えられず拒否してたらあちらが順当に怒って説教して帰って私泣いて謝って過呼吸なってっていう話だったんですけど
今回の話。
私のシャツのボタンを順々に開けようとしてくる偉い人の手を笑顔でえーいとはねのけたところ
「なんや、しらけた」
場の空気を一変させるひと言。
あれ、デジャヴ。
私つくづくこのパティーンもういやーと内心半べそ書きながら、偉い人が最初に大盤振る舞いで入れてくれたシャンパンをがぶがぶと一番飲んでいる私。
酔いが、回る。
酔いが回った頭で、思い出す。
"嫌いなお客さんは、こころの中で抱きしめるんだよ"
はっ。
私は今、偉い人に対して苦手意識を抱き始めている。
このままこころの中で偉い人を避けて遠ざけてしまっては、私もこの時間が苦痛だし、偉い人もせっかくお金出して来てくれたのに嫌な思いして帰ってしまう。
それは、なんかあかんやつや。
今がその時だ。
覚悟を決める。
こころの中で
この目の前の偉い人を
抱きしめるっっっっっっ
気付いたら、偉い人のすねを抱え込んでる私。
えーっと。
こころの中で抱きしめている予定、よね。
なんで現実世界で相手のすねを全力で抱え込んでいるのかな。
もう、偉い人の頭の上に「きょとん」って書いてる。
なんなら全身で「きょとん」を体現してる。
かたや真崎。
脳内の冷静な私が「違う、違うよー、ミスだよー」と必死に呼びかけてくれているんだけれど、アルコールで半ば頭がふわふわし出している私の勢いはそう簡単に止まらない。
「〇〇さん、いいすねしていますねー」
違う。
それ中島誠之助さんの「いい仕事してますねー」のやつや。
戻ってきてアルコール真崎。
「お、そうか」
あ、偉い人くいついた。
「私ふくらはぎフェチなんですよ(本当)。なんかスポーツやってはったんですすかー??」
「もう昔だけど、いろいろやってたよ。」
「今はなんかしてはるんですか?」
「今は特にしてないけど、筋トレはしてるかな。」
「えーかっこいー♡♡♡」
お酒が入るといつもより抵抗力低めで女子感出る。
(これが女子感で合ってるかは不明)
しかし、まんざらでもなさそうな偉い人。
気付けばこちらに体を向けて、なんや楽しそうにいろいろ喋ってくれてる。半酔っ払いの私は、あんまり話の内容を理解してないなりにきっとニコニココビコビして話を聞いていた気がする。
ドリンクもいっぱい頼ませてくれたので、わーいとがんがん頼んでいた気がする。
そして、帰り際。
「また絶対来るからな。」と偉い人。
「わーありがとー♡♡」と真崎@女子感。
そして、支配人のところに歩いて行く偉い人。
口を開く。
「次俺が来たら、この子指名でつけてくれ。」
(LINEスタンプ「ガラスの仮面」)
勤続1か月半。
初めて、指名のお客さんがつきました。
いろんなことがあったけど。
私、頑張って良かったよ。
そうだ。
ありがとう、A子さん。
"嫌いなお客さんは、こころの中で抱きしめるんだよ"
アドバイス
よく考えたら、特に使ってないや。
真崎
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