真崎です

沖縄にいます

「逃げずに頑張るのが正解」な空気は即刻地球外に排出されてしまえばいい

 

 

周りの人たちが病んでいる。

理由は仕事。

 

 

踏ん張れ逃げるなと言う人や意見が間違っているとは別に思っていない。踏ん張って逃げなかった先に道を拓く人もいるかもしれない。表情から生気と希望が失せた友人の話を聞いていても「あなたのこれからを思ってあなたの為に」この言葉をかけている上司や同僚の皆さまの情や思いやりは感じる。

 

 

危惧することはふたつ。

 

選択肢が「逃げずに頑張る」ただ一択

あるいは「逃げずに頑張る」か「死ぬ」かの二択になることである。

 

 

大げさな話ではなく、仕事がつらいけど辞めることもできず(会社が辞めさせてくれない・辞めた後の生活や世間の評価を考えると怖い等)八方ふさがりで自死を選択した人たちが身近にいる。

 

自分の命と心よりも大切な仕事や会社などこの世にあるはずもあっていいはずもない。とても悲しくてやる瀬ないからこの記事を書いている。

 

 

辞めることが絶対正しいとは思っていない。ただ「逃げる」という選択肢を知ってほしい。逃げた先が暗闇とは限らないことを知ってほしい。その上で、世間・他者の目に対する不安や恐れからではなく自分の素直な心の声を動機に未来を選択してほしい。 

 

そんなことを願いながら書く。

 

 

 

 

 

友人の言葉を聞いて「確かに」と納得した。

 

2か月で病んで辞めた会社に勤めていた時は私も「心が不感になればもっと楽に働けるのに」と思っていた。悲しい苦しい辞めたい死にたい、そんな自分の心の声にすら「なんで自分のことしか考えられないんだろう」と罪悪感が湧いて、心さえ亡くせばもっと仕事に集中できて人の為に働けると思っていた。

 

なんとかって名前の有名な精神薬を飲めば服薬中は感情を殺せると聞いていた。感情が亡くなればもっと働きやすく、もっと生きやすくなるかもしれないと思った。今思えばそんなことを考えてしまう精神状態はとても不健全なのだけど、とにかくあの時あの瞬間だけでも楽になりたかった。

 

自分がどれだけ駄目な人間で今すぐ自分を変える努力をしなければいけないか。そんなお達しを日々受けながら、最終的には泣きながら「変わりたくない」と上司に伝えて辞めた。引継ぎ期間に上司がポロっとこぼした「あなたは仕事を投げ出して逃げる」という言葉に、最後まで感じることを止められなかった私の心はヒリヒリした。

 

 

悩み落ち込んで退職を考えているときに「このまま辞めてもあなたの為にならない」などと言われる人もいるが、そこに関しては一部だけ私も同感。ネガティブな理由による退職は確実に私の心に嫌な後遺症を残した。世間知らずで生真面目な優等生ほどそのダメージは多分でかいのではと思う。

 

「自分がつらいからって我慢も努力も継続もできずに逃げた私はなんてダメ人間なんだろう。こんな私は今後社会で必要とされないのではないか」

 

退職による不都合な出来事がなにひとつ起きたわけでもない段階から、私は勝手に自分を責めて積極的に自信と居場所を失くすことを選んでいた。

 

 

 

 

あれから2年半。

 

「辞める=逃げる」とするならばあれから更に2回逃げて一部友人からのあだ名が「不適合」になりつつも、病んで泣いて死を想ったあの頃に比べてすこぶる元気に生きている私。後遺症はきれいに完治したしどうにかなるよアレ。

 

気分屋で衝動性が高く好奇心旺盛で飽き性、やりたいことが週単位で変わってしまう上にやりたくないことだと途端に動けなくなって苦しくなる諸々欠陥人間な自分をかつては責めることしかできなかったけど、今はそんな自分に合った生き方・働き方をウロウロしながら見つけようと思っている。

 

「逃げて逃げて人様に迷惑かけまくっているお前は何様だー」なんて声が聞こえると言い返す言葉もないしただただサーセンなんだけど、逃げないなら逃げないで病むと仕事しなくなるので更に迷惑かけた気しかしない。どう転んでも迷惑な存在な私、代わりと言っては恐縮だけど「逃げずに頑張るのが正解」の生ける反例にはギリなれると思っている。

 

 

要は、ちょっと開き直っている。

 

もちろんあれから何度も悩んで立ち止まった。もともと悩みやすいので精神状態の振れ幅は今もある。だけど、逃げて逃げて環境を変えてたくさんの人と出会い話す中で、少しずつ自分の思考に変化が起きた結果この状態にたどり着いたのだと思う。

 

思考が変化できた要因はたぶん以下。

 

 

1. 周りに逃げた人がいっぱいいた

 

3年以内に退職した人を早期離職者として、20代の早期離職者たちに取材をする仕事を請け負った私。さっそくSNSで早期離職者の募集をかけてみたところまあ引くほど応募きたわマジかよ友人各位。

 

もちろん退職理由も十人十色。キャリアアップや夢の実現のために辞めた人もいれば、仕事内容が合わなかったり人間関係で心を壊したりした人もいる。

 

そして退職後の生活も千差万別。転職に成功して楽しく働いている人、独立して野望燃やしている人、とりあえずバイトしながら食いつないでいる人、バイトしながら好きなことしている人、旅に出た人、ブロガーになった人、実家に帰って療養している人、資格の勉強をして専門的な仕事に就く人など。会社辞めてウルトラハッピー状態に誰もがなっているわけではないけど、それは会社に残っても同じことが言える。

 

思えば、これだけいろんな人に囲まれていたから「自分が思っているよりも生き方や働き方は多様なのかもしれない」と視野を拡げられた気がする。

 

 

 

2. ちょっと悟ってる人と話した 

 

なんか悟ってる人がいて、その人と「逃げる」に関して話したことがあった。

 

子曰く「今生きていることといつか死ぬこと以外は全部不確実だから、正解みたいな顔して「逃げるな」「逃げたら終わり」「逃げ癖つくぞ」とドヤってる人の言ってることなんか全然正解じゃない。その人に相手の未来は分からないし、自分がどうなろうが他人は責任を負ってくれない。どんな立場であろうと他人の言葉を鵜呑みにしないほうがいい」

 

子曰く「無理して頑張っている人ほど「自分はこれだけ無理して頑張っているのになんでお前は頑張らずに弱音吐いてんだ」って人にも無理して頑張ることを強要する。本当にその人が望んでやっていることならそうならない。自己犠牲の精神でやっている人は他者を巻き込んで傷つける」

 

子曰く「本当に自分のこと考えている人もいるだろうけど、自分の人事評価を下げないために止めてくる人もいる。そんな人の言葉で消耗しなくていい」

 

(内容は違うけど似たようなことをつぶやいている方がいました)

 

 

このとき浮かんだのは、病んで辞めた会社で浴びていた罵声。当時は上司や代表の言う言葉だから全部正しいし受け止めなきゃと思い込んでいた。でも悟ってる人のおかげで「あ、別にあれ全部正しいわけじゃなかったやつや」と思えて楽になった。

 

仕事ができないからバツ

すぐ退職したからバツ

何度も退職したからバツ

成果残す前に辞めるなんてバツ

 

会社の中ではそうやってあらゆる自分にバツをつけていたけど、それも会社や社会の枠の中で勝手に抱いた思い込みだった。会社を辞めていろんな人と会う中で、そのバツを自分で取り除けるようになった。

 

 

 

あ、2つで終わった。

でも、うん、そんな感じ。

 

感情的な語りで希望だけ見せるのは反則だと思うので「とはいえ辞め方や辞めた後の生活が不安で……」とか諸々の懸念がある人は法律とか転職に詳しい人に相談してみてください。私は弁護士さんとキャリアカウンセラーさんに社会保障について相談していました。よければ私が信頼できる人を紹介します。

 

 

「逃げずに頑張るのが正解」だと言われて信じてそのまま働き続けて頑張るのも一手。状況が好転することもあり得る。私も一度あった。

 

ただ「逃げるな頑張れって言われたから」と会社や上司に自分の苦しみの責任を押し付けながら病みを抱えて会社に残り続ける、あるいは自死を考える精神状態なら、たぶん退職したほうがいい。特に後者の人はお願いだから生きてほしい。

 

 

「逃げずに頑張るのが正解」ではない。

 

仕事で自分を壊さないでほしい。

 

 

 

そんな話です。

 

辞めてもいいと思うよ。

 

 

真崎

 

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