真崎です

沖縄にいます

「不登校でもイイじゃん」な元上司が教えてくれたこと

 

 

前職で吐くほどお世話になった上司・阿部さんが本を出版されました。

 

「不登校」は天才の卵

「不登校」は天才の卵

 

 

 

阿部さんの出版記念イベントにて。

 

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左にいるのは、以前私のブログでも勝手に紹介したシンガーソングライターの風見穏香。鼻から手が生えるこのポーズは彼女がファンに強要してくるやつです。

 

そして右が阿部さん。

本物はこんなに半目でもへの字口でもなくもうちょいイケメンなはず。他の写真だと私が半目もしくは静止ポーズなのにブレているので許してツカーサイ。

 

まともな阿部さん。

 

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「この本を私のブログで好き勝手に宣伝してもいいですか?」と阿部さんに伺ってOKをいただけたので好き勝手書きます。

 

書きたい理由はひとつ。

お世話になった阿部さんの力になりたいから

 

なんて見え見えの建前は無視して本音の理由を言うなら不登校の子・その親御さん・不登校経験者・ひいては不登校と関係なくても社会や組織に適応し切れず苦しんでいる方の心を軽くしてくれる本だと勝手に確信しているから」です。

 

そう思えるのは、不登校経験者でも親でもない私の原体験が大きいです。私が阿部さんのもとで働く前の人生で一番死にたかった2か月間、ずっと阿部さんの不登校ブログを読んで励まされて生きていました。 

 

不登校生・親御さん向けのブログなんですけどね。わたし会社で「不登校生以上に不登校生」とか意味不明なレッテル貼られていたのでね。阿部さんブログが響いた理由がそこだと超複雑ですけどね。

 

 

 

Googleで「社会不適応」と検索してくるトップに出てくる私のブログ。かつては社会不適応者が社会適応できるよう支援する会社(勤続2か月)にいたのにギャップ萌え。社会不適応やら不登校やら人生つらいやら死にたいやらな方々に届けーと思いながら、自分なりに阿部さんの文章をゴリ押ししてみます。本は今から読むのでレビューは後日です。

 

褒め褒め上げ上げしすぎて阿部さんが逆に胡散くさい聖人君子ワナビーみたいに思われるのは避けたいので、私から見た阿部さん像を一言付け加えておきます。「わりとひねくれたおっさん」です。

 

 

では本題へ。

 

「誰かの味方=誰かの敵」ではないと教えてくれました

 

オトナの言うことなんて、けっこう矛盾ばっかりです。

 

「なんでもイイから夢中になれるものを見つけて欲しいわ」なんて言いながら、子供がゲームに夢中だと「ウチの子はゲーム依存だ」って嘆く。

 

ならばと、今度は夢中でマンガを描いたりすると「どうせ夢中になるなら、もっとマシなことしなさい」なんてお説教が始まる。

   

            -『矛盾をなくす』(2011/10/04)

 

読み始めから「確かにー!」と惹きつけられた記事です。親になったことのない私は子供目線でこのブログ冒頭の文章に強く共感しました。 ほんとオトナったら嫌んなっちゃう。

 

ということで、この記事のオチは「オトナの言うことなんてどうせ矛盾してるし全部正しいわけじゃないんだから都合よく無視して良し」

 

 

には、まあならんわけです。

 

「なんでもイイから夢中になれるものを見つけて欲しい」というのは保護者としての本心でしょうし、「ゲームに夢中じゃ困る」というのも本心ですよね。

 

どうしても矛盾します。

 

「完璧な親」を目指すのであれば「なんでもイイ、と口にした以上、なにをやっても、どんなことに夢中になっても認めてあげる」か、もしくは「ゲームやマンガを除いたマシなものに夢中になって欲しい」と伝えるか。

 

ちょっとややこしいですが、そんな感じにすれば、矛盾はなくなり、子供も反論できず、より「完璧な親」に近づくことができるでしょう。

 

で。

 

果たして「矛盾のない、完璧な親」というのは、そんなにイイものなのでしょうか。

 

 

確かに。(あっさり寝返る)

 

「うちの母ちゃんは言うことが矛盾せず反論の余地もなく完璧なんだぜ、なんて自慢する子はいません、ってか自慢にも何にもならないです」の言葉には笑ったのですが、「むしろ矛盾しているくらいが、ちょうどイイんです」というこのブログのメッセージは、子供と親、双方の救済になり得ます。

 

 

不登校支援業界にいていろんな支援者と関わった所感ですが、「子供が不登校になるのは親が悪い、だから親が変わらなければいけない」と考える人は結構いる気がします。

 

学生時代や不登校支援を始めて間もない頃は私も思っていました。「子供の味方でいたい」という気持ちの裏には「だから親を敵にすることも辞さない」みたいな思いが多分ありました。

 

2か月で辞めた不登校支援の会社では組織の代表が「毒親」という言葉を公で使うぐらい、とにかく親への当たりがキツかったです。別の支援機関で「親のあなたが悪い」とボロカス言われてボロボロになった方も見ました。

 

 

私から見た阿部さんは

まずなにより「子供の味方」でいます。

 

だけど、親を敵にはしないです。

むしろ、やっぱり味方です。

 

だから阿部さんの文章は、敵味方なく親子ともども肩の力を抜かせちゃう感じです。それって結構すごいことだと私は思っています。

 

 

与えるべきは「気休め」ではなく「情報」だと教えてくれました

 

第6章 学校に行かない7つの選択肢

選択肢1 家にいる

選択肢2 通信教育・家庭教師

選択肢3 フリースクール

選択肢4 学習塾

選択肢5 転校

選択肢6 留学

選択肢7 カウンセリング

 

 -『「不登校」は天才の卵』目次より

 

阿部さんのもとで不登校支援を始めたとき、最初に学んだことはカウンセリング云々ではなく「情報武装」、もっと言えば「最新で正確な情報をできる限りたくさん掴んでおくこと」でした。

 

全国のフリースクールや支援機関などをまとめたサイトは、まず古いものが多いです。電話をかけたら「おかけになった電話は……」なんてことも往々にしてありました。あとは「まとめただけなのでその機関の質に責任は負いません」なサイトもあるので何を信用していいか判断するのは難しいです。

 

 

この本では、最新情報かつ電話調査をもとにして選んだ良心的な機関を選んで掲載しているみたいです。

 

これって吐血レベルでものっそい価値があります。

 

それぐらい、本当に情報って大切です。

 

 

以下は私が働いていた頃の情報ですが

 

例えば、中学の出席日数ゼロで内申書が真っ白でも手続きすれば公立高校を受験できる制度が神奈川県にはありました。

 

例えば、HPには「受験時には通知表の提出が必要」と書かれている私立高校に電話をかけてみると「うちでは出席日数や内申点を重視します」という学校もあれば「参考程度に提出はしてもらいますが合否の基準は当日のテストが9割です」という学校もありました。(東京・神奈川すべての私立高校に電話して確認していました)

 

例えば、中学受験でも通知表の提出はありますが、合否は当日のテストと、面接でどれだけ今後のことを話せるかで判断するという学校がありました。

 

これらの情報が「不登校だった私が進学できる学校なんてない」と絶望する生徒、あるいはその親御さんの希望になったことが何度もありました。

 

 

カウンセリングが必要なケース(私はしません)やその他の処置が必要な場合もちろんありましたが、状況が好転するきっかけとして情報提供はとても有効でした。

 

「つらいのは今だけですよ」

不登校でも大丈夫ですよ」

 

そんな声かけが相手の心を軽くする場合もありますが、気休めをもらっただけではきっとまたすぐに不安になります。「なにが大丈夫やねん(憤慨・困惑・恐怖)」てなります。

 

それよりも

「今からだとこんな選択肢がありますよ」

「こんな進路を歩んだ人もいますよ」

と、きちんと選択肢や事実を伝えることの大切さを阿部さんから学びました。ライターになってからも結構役立っているスタンスです。

 

 

と、こんな感じで。

 

不登校関係の本や支援は良質・悪質ひっくるめていろいろありますが、身内の贔屓目を抜きにしても阿部さんの支援スタンス・文章は本当にオススメできます。

 

少なくとも「不登校でイイじゃん」な上司でなければ、私は1年半も働き続けられなかったと思います。その言葉をかけられる人は絶対必要です。

 

不登校関係(当事者・経験者・当事者の家族・支援者)にはもちろんですが、仕事で病んでいた私の心にも響いたので、良ければ生きることに疲れた系の人も読んでみてください。そうじゃない方も遠慮なく。

 

「不登校」は天才の卵

「不登校」は天才の卵

 

 

購入はぜひ「Amazon<書店」で。

 

真崎

 

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