真崎です

沖縄にいます

だから、わたしは結婚したい。

 

「みんなが結婚するから私も結婚しなきゃ」

 

そんな他者比較から慌てて婚活を始めるアラサーアラフォーに苦言を呈する文章をよく見かける。他人がどうこうに関係なく「自分がどうしたいのか」と真摯に向き合えよってやつ。

 

そうなの、まさにその通りなの。

 

ところでわたしは結婚したい。

だってみんなが結婚するからです。

 

 

******

 

先日、池袋に行ってきた。

 

1年半前まで住んでいたシェアハウスが解散することになったのだ。

 

大学時代からずっと仲の良い女。

ひたすらノリの合う男。

他の住人も愉快で気の合うメンバーばかり。

 

そのシェアハウスでは、「他人との共同生活」という緊張感をほんの少しだけ残しつつ、家族以上に家族な居心地のよさを感じながら暮らしていた。

 

 

冬になると、正方形の小さなホットカーペットに5人がギュっと固まる。

そして、フニャフニャと当て所もない会話をする。

 

「あったかい」

「居心地ええな」

 

「なんかさ」

「うん」

「わたし、あんま彼氏いらんかも」

「分かる」

 

その頃はみんなで「はぁ~彼氏ほし~」と口癖のように言っていた時期。

たまに奮い立って合コンに行ったりしては、仲良くなった人と2~3回会ってそのまま終わる、みたいなことを繰り返していた。

 

 

「この家におったらさ」

「うん」

「寂しくないから彼氏いらんってなる」

 

「分かる、それちょっとヤバいよな」

「ヤバいけど抜けられへんよな」

「一生結婚できひんやん」

 

 

「え、いま彼氏彼女おる人??」

 

「………」

 

 

「ちょwwやばい全員フリーかよwwwww」

 

「そしたらみんな一生ここで暮らそwww」

「いやホンマそうしよwwww」

 

そうケラケラ笑いながらダラダラ夜更けまで話す。

 

 

とても楽しい日々だった。

 

この家なら、このメンバーなら。

ずっと一生いっしょに暮らすのも楽しいかもしれない。

 

そんなことを思いながら、ふらっと沖縄移住して自ら出て行ったのだけど。

 

 

********

 

 

解散パーティ当日。

 

10畳のリビングには、現住人の5人、元住人のわたし、よく遊びに来る友人たち、そして男性メンバーの彼女がいる。

 

「シェアハウス出た後どうするん」

ピザを齧りながら、メンバーの一人に聞いた。

 

「ん~彼氏と同棲する」

「マジか」

「たぶんその人と結婚するわ」

「マジか」

 

 

「そっちは??」

メンバーの男友達にも聞いた。

 

「俺は、もう入籍すんで」

「マジか」

「だから一緒に暮らす」

「マジか」

 

んふふ、と彼女がかわいく笑う。

お前、ホンマいい子捕まえたな。

 

 

そうか、そうよな。

 

そら、みんな結婚していくわな。

結婚したいって言ってたもんな。

言うてうちら28歳やもんな。

そこそこ好き勝手したし次行きたいよな。

 

 

”そしたらみんな一生ここで暮らそ”

”いやホンマそうしよ”

 

 

そんなこと言って笑いながらも、この空間が一時的なものやって、全員分かってたもんな。

 

 

 

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ひとり暮らしができなくなった。

 

前は平気だった。

でもできなくなった。

シェアハウスを経験してからできなくなった。

たった2ヶ月だけ住んだ高知のマンションも、つい先日解約してしまった。

 

 

寂しすぎたのだ。

 

 

ひとりで暮らすのが、本当に寂しい。

ただ「寂しい」というだけの感情が、わたしには泣けるほどに苦しかった。 

 

わたしの暮らしに「他人」がほしい。

言葉を交わして笑って過ごせる「他人」がほしい。

 

 

でも、誰でもいいわけじゃない。

 

沖縄で3つのシェアハウスに住んで分かった。

 

ただ「他人」なだけではダメらしい。

慣れもあるけど、そもそもの波長があるらしい。

波長が合う人とじゃないと、落ち着いて同じ空間にはいられないらしい。

 

 

池袋のシェアハウスは、波長が合っていたらしい。

 

じゃあ、そんなシェアハウスを探せばいい。

ひとりで暮らしたくないなら、そんなシェアハウスを探してまた住めばいい。

 

 

 

 

”彼氏と同棲する”

”たぶんその人と結婚するわ”

”俺は、もう入籍すんで” 

 

 

 

でも、みんな結婚していった。

 

 

 

若者が集まるシェアハウス。

そこには思っているよりずっと短い消費期限がある。

 

池袋のシェアハウスは、メンバーの結婚・婚約とともに期限を迎えた。

 

結婚でなくても、転職、移住、世界一周。

メンバーのあらゆるステージ変化に合わせて、シェアハウスは簡単に形を変え、最後には消滅する。 

 

 

 

 

住む場所を変え、場の形態を変え。

たくさん体験してたくさん思考した。

 

「自分はどうやって生きていきたいか」

経験と感情に照らしながら、何度も自問した。 

 

 

そして、こう思うようになった。 

 

 

ひとりは寂しい。

こころ許せる他人といっしょに暮らしたい。

 

 

その手段として、「結婚」が一番分かりやすい。

 

だって、みんな結婚していくんだもん。

 

 

 

だから、わたしは結婚したい。

 

今はそんなお気持ちです。

 

 

  

真崎 

 

 

 

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