真崎です

沖縄にいます

どういう路線のライターを目指したいですか?

  

横浜にある上島珈琲店にて。

 

プロ家庭教師&教育ライターをしている方を「お話したい」とお呼び出し。私からお誘いしておいてその方からおごっていただいたコーヒーをありがたく啜りつつ、女子の起業支援もしているその方にライター業について等いろいろとお話を伺った。

 

ご質問を受けた。

 

「どんな路線のライターを目指したいですか?」

 

 

その方から提示されたのは、ざっくりとした「路線」。

"読まれる"ブログや文章を書いている人には、大きく分けて2パターンありますと。

 

ひとつは「専門的な内容」。

 

私が今購読しているブログの中で言うなら、美容・健康・コーチング・カウンセリング・ブログカスタマイズなどがその路線のあてはまる。

要はその人の専門分野の知識を読者に提供してくれる文章。

「これについて知りたい」と思ったときに検索すると上がってきたりする。趣旨やターゲットが分かりやすく、観方によれば「とっつきやすく」「目につきやすい」。

問われるのは文章力の有無よりも強い専門性。

 

 

 

 

「もうひとつは…」

 

 

 

*************

 

 

約3年半前。

大学4年生の夏。

 

4月に就職活動を終えて悠悠自適に枯れていた私は、同じゼミに所属していたコカコーラ中毒の男友達に声をかけられた。

 

 

「真崎、ライターやらん?」

 

ふたつ返事で了承。

 

 

 

大学時代、ほぼ毎日欠かさずmixiの日記を書いていた。

記事数は膨大だけど、例えば内容の例を挙げるなら

 

・自転車で鳩を追い掛け回して車に轢かれかけた

キン肉マンの生い立ちについて先輩と徹夜で話した

アウストラロピテクスの絵が上手く描けた

・バイト中トイレに行って個室から出る時に間違えて満開の笑顔で「いらっしゃいませ!!」と発して羞恥心からその場で悶絶した

・赤ちゃんを抱こうとしたら蹴られた

 

 

「平凡でルーティンのような毎日の中で起こるささいな出来事をいかにシュールに切り取って文章にするのか」に命を懸け、とにかく毎日コツコツと文章を書き、そこにつくコメント返信に通学時間を費やす。

 

 

そんな日々を続けていたら、コアなファンが付き始めた。

コーラ中毒もそのひとり。

 

 

コーラ中毒はコーラ中毒なわりに優秀な男で、どこぞのベンチャー企業の就活サイトでコラムコーナーの編集長をしており、そこで「内定者の先輩」としてコラムを書かないかというお誘いだった。

 

自分の文章を広く発信できる場をもらえることも、それによって報酬(Amazonギフトカード)がもらえることも、なんだかとても未知で新鮮で嬉しくて、誘われた当初は浮足立っていた

 

のが、崩壊した。わりと直後に。

 

 

まず、その就活サイト自体がいわゆる「意識の高い学生層」向けのもの。

 

なので私と共に名前を連ねた「内定者の先輩」たちは、その意識の高い学生たち界隈で名の知れた、優秀且つ有名企業に内定したなんかすごい感じの人たちばかりだった。

 

 

大学名と内定した企業名が、コラムニストの紹介ページに並ぶ。

 

 

電通

博報堂

P&G

ゴールドマンサックス

読売新聞

フジテレビ

野村証券

中部・東海地方の塾(←真崎)

 

 

お呼びじゃない。

 

 

 

コーラ中毒に連絡。

 

「真崎の社会的抹殺が目的やったんか」

 

「あほか違うわ」

 

 

基本的にコーラ中毒に対していつもいじりにかかったり愛ある毒を吐いたりしていたので、それを実は根に持っていたコーラ中毒が編集長の権限と真崎の自己顕示欲を利用して潰しにかかってきたのだと当時はわりと本気で思った。

 

 

しかも、求められるテーマが

 

・自己分析

・グループディスカッション

・OB、OG訪問

・面接

・業界研究

・その他やっといた方が良いこと

 

 

当初の言葉を借りるなら、ある種専門性の強い内容。

それを経験した者、そこに対してなにかしら提供できる知識を持った者が、求める人に対してアドバイスや知識経験談を提供するような形。

 

自分に自信がなく他人との比較癖のあった私にとって、その内容で、そんなすごい方々と肩を並べて記事を書くなんて、無理。

 

勝手に打ちひしがれて落ち込む日々。

 

 

 

そんな折、コーラ中毒が励ましてくれた。

 

「就活において優秀な学生はいっぱいおるけど、文章力だけで言うならお前の方が絶対おもろい。俺が保証するから自信持って書いてくれ。」

 

 

腹くくった。

 

 

まずは開き直りから。

 

就活に関するスキル系やアドバイスは、他の内定者に比べて私の持ち合わせることに対するニーズはないと早々に切り捨てた。

最初の記事で「そういうのは他の人のを参考にして下さい。私の記事はベッドの上ですね毛を抜きながら読むぐらいの姿勢でようやく良い塩梅になります。」と書いた。

自信のなさが伺える表記。かまうものか。

 

 

そして、コーラ中毒から提示されるテーマ候補の中から、極力「誰が書いても無益になりそうなもの」、要は就活箸休めの下らないテーマを選んだ。

 

 

その中のテーマのひとつが「リクラブ」

 

 

リクルートラブ、要は「就活の中で誕生する恋」の話。

 

就活含め人生の中でラブを大成させたことのない私が、リクラブ。

 

 

就活&恋愛

Wパンチの劣等感に対して堂々の開き直り。

 

なぜかサイトに飛べなくて、もうその記事は見られないけど、もう相当に好き勝手書いた。

 

 

そうしたら、Twitterで以下のような拡散をされた。

 

 

泣いた。

 

ウェブ怖えって震えた。

この投稿した人が電通の内定者だったから「電通潰れろ」と思った。

 

 

 

それ以降怖くて反応を見られなかった私に、その記事を見かけたある友人が声をかけてくれた。

 

「真崎が書いたリクラブの記事、Twitterでバズってたな。」

 

 

 

「バズる」ってなんぞ。

 

 

上記投稿のショックから、「バズる=炎上」というネガティブ等式が脳内で作り上げられ、「あれからまたいろんな人に誹謗中傷されているなんてもう嫌だ見たくない書きたくない」と半泣き状態。

 

 

 

「バズるって、良い意味で「話題になっている」「噂になっている」ってことやで。」

 

 

 

 

 

勇気を出してTwitter見てみた。

 

 

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リクラブという言葉を知っていますか?僕はコレを読んで知りました。面白い文章でした!/ 私とリクラブ http://t.co/eHeIHRUh

 

 

 @carippo_com がこんな記事を載せているとは,非常に意外だった.「私とリクラブ」http://t.co/jFtUPrzu

 

 

コレはわらたw RT @ 名記事だ・・・www / 私とリクラブ http://t.co/T9HWc89i via @carippo_com

 

 

ウケる。今日から就活スタートですね笑: 私とリクラブ http://t.co/abXMw9l via @carippo_com

 

 

真崎のブログがめっちゃRTされてるー♪さすが真崎(*´∇`*)"@carippo_com: Carippo!ブログの人気記事をご紹介。文章も内容も非常におもしろいのでぜひ!/ 私とリクラブ http://t.co/ujbdW4Lp"

 

 

 

やっぱこの子神がかってるわ。真崎ちゃん面白すぎるだいすき。 夜行バスが少しだけ楽しくなる話 by @ http://t.co/9QoTgWq8 @carippo_comさんから

  (↑ 夜行バスについて書いた話)

 

 

 

泣いた。 (2回目)

 

 

「私、公で書いてもええんかもしれん」

自信なさすぎた私の、ちょっとした自信になった。

 

「あと、方向性ミスってなかった」

専門的内容はお呼びでないだろうと、コーラ編集長に許可とって好き勝手書いたのが、この時は功を奏した。

 

 

私は「こっち」だと思った。

 

 

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「もうひとつは、その人の文章の個性で売っていくこと」

 

 

なにか有益な情報が得られるわけでもなく、よって読んでも得することは別にない。だけど、なぜか読みたくなる。

そう聞くと私の中にも思い浮かぶ文章やブログがあり、それらの文章にふれることは私の日常において欠かすことのできない娯楽と息抜きの時間になっている。

 

例えば私の書く文章に価値がつくのだとしたら、コラムを書いていた当時の周囲の反応を思い返すと、なんかそういう形だったんじゃないかと思う。

 

就活の雰囲気は正直なんだか息苦しい。

あのサイトにたどり着く就活生、彼らの肩の力をあの時一瞬でも抜くことができたのであれば、私があそこで文章を書いていた意味は大いにあったと自己賞賛できる。

 

 

 

「もちろん、その文章にプラスしてその人なりの付加価値をつけていく必要があるけど、まずは「この人の文章を読みたい」と思ってもらえたらいいよね。」

 

 

 

まだ自分の路線を確立できていはいないけれど、その方が提示してくれたざっくり2路線からチョイスするなら、俄然後者で押していきたいと思っている。

 

mixiに首ったけだった大学時代に比べて、仕事を始めてから「自分の文章」を書く量が圧倒的に減ったので、まずは毎日書いて書いて書いてその感覚を取り戻してみようと思う。

 

 

路線としてはとても抽象的だけど

 

誰かの「クスッ」を、たくさん創りたい。

 

 

 

そんな感じでいろいろ書いてまいります。

 

あとどうやったらもう少し短く書けるかな。(3,855字目)