真崎です

沖縄にいます

自己評価低めな朝キャバ嬢の憂鬱 〜「1杯いただいてもいいですか?」が言えなくて -2015 夏ー 〜

 
 
支配人
「今のはお前の方についていた客がお金持ってたからな。言わないのが1番だめ」
  
  
一緒についた先輩キャスト
「私がついた人に頼んだら、真崎ちゃんがついた人次第って言われたから、真崎ちゃんにサイン出してたんだよ」
   
  
真崎
「サ-セン。誠にサ-セン」
 
 
 
 
 
今日も今日とて朝キャバ。
 
 
 
ひとりでひたすら喋り倒して隙あらばさわってきてニタニタしてるおじさんを、ハンカチでしばき倒して適当にあしらって伸びてくる手を千手観音顔負けの守備でガードして
  
やっと解放だと席を立とうとしたら最後におじさん真顔になって小声で「お前処女だろ」とか言ってきたしすげえ生きづらい。
 
 
 
 
キャバクラがどこで儲けを出すかというと、ドリンク。
 
 
もちろん長くいればいるほど料金は上がるが、朝キャバの席料など知れてるので、お店が売り上げを上げるには「キャストがどれだけドリンクを出してもらえるか」にかかっている。
 
 
 
キャバクラのドリンクは通常より高い。
ちゃちなカクテルでも最低1500円。
 
お金持ちのお客さんは基本大盤振る舞いでいっぱい飲ませてくれるけど、大体のお客さん的はあまり出さない。
 
 
「この子にはドリンク出そう」
と思った子に出すのが多いと思う。
 
 
しかし、あちらからは言い出さない。
 
 
 
 
つまり、こちらが
 
「1杯いただいていいですか?」
 
を、言えるかどうかに
ドリンク注文の是非がかかっている。
 
 
 
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支配人お墨付きの「クソ真面目女子」の私。
 
 
「労働契約を結んで賃金をもらっている以上その対価としての労働力と売り上げを提供しなければいけない」
 
というプレッシャーで社会人時代に潰れかけていた、あの感覚をまさかキャバで味わうことになるなんて。
 
 
 
 
支配人やママは優しい。
基本的には「無理するな」と言ってくれる。
   
 
ただ、キャストに期待していることももちろんあるわけで。
 
それが
 
・お客さんを楽しませる
・お客さんを連れてくる
・お客さんにドリンクを頼んでもらう
 
というもの。
 
 
 
 
他のキャストを見ると、確かにみんなドリンクを出してもらおうと頑張ってる。
 
 
 
自分のキャラを活かして「ねえ一緒に飲もうよー♡わたし飲みたいー♡」とお客さんにスリスリしてドリンクをGETする人もいるし
 
 
席に着いたら15分起きに「良かったら乾杯しませんか?」と大人の色気を醸した声でお客を誘うしっとり系お姉さんもいる。
 
 
ママのレベルまで行くと「わたしビール頼むね」となんの違和感もなくドリンクを頼み、お客も納得してる。すごい。 
 
 
 
過去にいたキャストでぽっちゃりというかどちらかというとアジアン馬場園系の女の子がいたらしく
 
その子はお客さんから「デブ!」「ブス!」と散々罵られても折れることなく
 
「すみません!今からスクワットするんでドリンク頼ませて下さい!!」
 
と身体を張ってドリンクもらってたらしい。心から敬意を表す。
 
 
 
 
 
 
わたし。
 
 
 
お客さんと喋りながら、頭の中には「どのタイミングでドリンク頼もうどのタイミングでドリンク頼もう」がエンドレスリピート。
 
人の話を聞きながら自分の商品売ることしか考えてないダメ営業マンみたい。
 
 
 
 
私の大好きな
峰なゆかさん「女くどき飯」
 
中でも大好きな第4回から抜粋。
 
 
 
 
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カウンセラー高石(34)
 
「「ナンパするぞ!!」って意気込んだ時点で気持ち悪い人になってしまうのでナンパ成功しないですよね」
 
 
 
「確かに!ボディタッチとかも「触るぞ…触るぞ…」って思って触ってくる人のってすごい気持ち悪いけど(この気持ち悪いおじさんとゾゾゾゾってなってる女の子の絵が好き)、誰でもカジュアルに触る人だと気持ち悪くない!」
 
 
 
 
この話と絵が「分かる分かる」で且つ面白くてケラケラ笑いながら読んでいたのだけどこの「触るぞ…触るぞ…」の気持ち悪いおじさんと「頼むぞ…頼むぞ…」の真崎が奇跡的なシンクロ状態で絶賛笑えない。
 
 
 
 
 
苦手なのだ。
 
 
「自分にお金を使ってもらう」
という行為が。
 
 
 
 
奢ってもらうのも苦手で、男の人と食事にいった時のお会計の際のそわそわ感たるや「もういっそ全額払うのでこの場から解放して下せえ」と思った場面も数知れず。マシにはなったけど未だに慣れない。
 
 
 
こういう思考の陰には「自己概念の低さ」だの「お金に対するメンタルブロック」だのと心理系界隈の皆さんおっしゃるんだけど分かったからそろそろ黙ってほしい。
 
 
 
 
ドリンクを出すか出さないかはお客さんの自由でしかないのに「私にドリンクを出してもらうなんて、なんか申し訳ない」と勝手に引いている私がいる。
 
 
 
勇気を出して「1杯いただいていいですか?」と言えたと想いきや「あー、うーん笑」とお客さんが微妙な反応見せるとら「あっ!全然大丈夫ですよ!いいですいいです!ささっ!飲みましょ飲みましょ!さー飲みましょうぇいうぇい!」みたいな勢いで前発言を全力で撤回にらかかる自分がいる。
 
 
 
 
わがままを言えない
 
「ありがとう」でなく「ごめん」を言ってしまう
 
 
それが私の「女子ポイントの低さ」らしい
 
へー(乾き)
 
 
 
そんなわけで「自己評価の低さからドリンクを堂々と頼むことができない病」をこじらせてる真崎@朝キャバ歴2ヶ月目。
 
 
真崎
 
 
 
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