真崎です

沖縄にいます

生きづらい系女性シンガーソングライター「風見穏香」が死にかけながらワンマンライブに挑戦する理由

 

 

 

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風見穏香と出逢ったのは昨年の7月頃。

 

 

当時不登校支援の活動に従事していた私に大学時代の友人から連絡が入った。「私の友人で不登校支援の活動をしたいって言ってる子がいるんだけど真崎のこと紹介していい?」とのこと。

 

「いいよ、誰?」

「風見穏香さん。しーちゃん。知ってる?」

 

えー。

うそー。

 

知ってるもなにも、私が属するコミュニティ界隈では軽く有名人なあの「しーちゃんさん」じゃないですかーて。

 

 

【シンガーソングライター風見穏香】

 

ということで、風見穏香はシンガーソングライター。

 

年齢は一緒。

就活や会社勤めの経験はなし。

みんながスーツを着て就活に勤しむ中で、彼女は卒業後も「うたうこと」を続けていくと決めていたようで、周りに対する劣等感と闘いながらもその意思を貫き通したとのこと。

 

出逢ったことがないのに私が彼女を知っていたのは、彼女がCDを出したり路上ライブをしたりコンテストで入賞していたりする様子が度々facebookの仲間内でシェアされてきていたから。

 

私は大学時代にとある企業の大学生キャリア支援に関わっていたのだが、彼女もそのセミナーの受講生だったらしい。そのセミナーで出来た大学生コミュニティのみんながこぞって彼女を応援していた記憶がある。

 

シェアされてくる「しーちゃんさん」の投稿において、彼女はいつもパーにした手の親指を鼻につっこんだポーズでニコーと笑っていた。見せかけではなく本気で鼻の真ん中ぐらいまで挿していた。

 

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彼女文章を見ると「応援してくれると嬉しーちゃん」の文字。CDのジャケットは満開の笑顔で飛び跳ねる姿。

 

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「私、たぶんこの子苦手なタイプだ」

アングラ真崎お得意の思い込みスタート。

 

明るく天真爛漫で誰からも愛されて応援される。

遠くから眺める「しーちゃんさん」はそんな人で、それがなんだか羨ましくて、あんまり投稿を見たくなかったので「シェアしてくる人のfacebookアカウント全部凍結されろ」と思ったり思わなかったり。まあ私も人生に悶々していた時期ということで。

 

 

想像以上にこじらせていた実物

 

会った。

 

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第一印象は「思ったより弾けてない」。

もちろん(私的には)良い意味。

 

しかしそもそも私には彼女が「不登校支援をしたい」という動機がまったく分からない。CDも渋谷タワレコのインディーズチャート上位ランクインして今から「シンガーソングライター」としてさらに飛躍していこうという時なのではないのか?

 

 

出逢って20分で理由が分かった。

 

「私ちょっとだけ不登校だったんだよ」

 

まじかー。

すげー意外だわー。

 

(現在彼女のことは「しーのすけ」と呼んでいるので以下「しーのすけ」で)

 

しーのすけが不登校になったのは小6の時。

期間にすると1か月ほどだったらしい。

 

なにか決定的な出来事があったわけではなく、でも小さな頃から「私はなぜここにいるんだろう」と哲学的こじらせ状態に入っていたらしく、小6のある給食時間に突如涙が止まらなくなったらしい。それを機に不登校。家で「死にたい」と暴れていたとのこと。

 

彼女は少しだけ就活をしたらしいのだが、ひとりひとりの個性が消えて表面的な部分で人間が選別されていく様子に激しく違和感と憤りを覚えたらしい。安易なことは言えないが、不登校になった時もこれに通ずるなにかがあったのではないかと思っている。

 

こころを失くして働くロボットみたいな人が増えて、こころのある人ばっかりが苦しんでつらい思いをしている気がしていて。そんな人たちの支えになりたくて、「そんなことないよ、私も一緒だよ」って伝えたくて、こうやって歌っています。

 

 (2014.10 不登校ベントライブより)

 

 

「私もいっしょ」

 

シンガーソングライターとして順風満帆にやってきたのかと思っていたけど、違った。

 

人目が気になってまず人前で歌えない。

路上に立って泣きながら歌う。

そんな自分に負けたくないとギターを持って旅に出たものの、結局歌えずに泣きながら帰ってくる。 

 

そんな感じで、でもなんとか必死にここまでやってきたとのこと。人前で歌えるようになったのもほんの3年前くらいだったらしい。

 

 

話は戻って、不登校支援のこと。

 

 

「だから、そういう子達の気持ちがすごく分かるんだよね」

「私はそういう子達を救いたい」

 

 

『分かる』『救う』

 

「支援側が使う頻出単語で真崎が嫌いなものTOP2」

いきなり口にしたしーのすけ。

 

今となっては「言葉の定義と捉え方は人によって違うんだ」と知ったので前ほど気にならないけど、その時は「えっ」と反応してしまった。その言葉を聞くと「自分に不登校の経験があるから「分かる」とかただの自己陶酔の勘違いだし「救う」とかどの立場からの何様言葉だよ」というテキストが自動的に脳内を巡りだす輩系女子真崎。

 

だけど、引き続き話を聞いているとその感覚は消える。しーのすけはその想いのもと不登校の子と関わる活動も細々行っていた模様。話を聞いている限りその生徒はしーのすけにこころを開いているんだろうと伝わった。

 

言葉は不器用だけど、まっすぐで思いやりがある人。

そんな印象。

 

 

話の最後の方に言っていた。

 

「でも「救いたい」とか言ってるけど、結局たぶん私はいちばん「私」を救いたいんだよね。もはや生徒からも救われてるわ笑」

 

なんとなく、信頼できる人だと思った。

 

 

人として好きだなと思ったのがこの時。

 

そして、「シンガーソングライター」として惚れたのがこの時。 

 

 

不登校イベントのライブで会場号泣

 

 

当時運営に関わっていたイベントに出演してもらった。

不登校当事者の小中高生、不登校ではないけど様々な事情を抱えた若者、保護者の方々の前で歌う。

 

 

最初に歌ったのが、『ひとでいたい』という曲。

 

勉強なんてできなくていいから

深い悲しみ分かるひとでいたい

 

常識なんか知らなくていいから

つらいつらい痛みは分かるひとでいたい

 

立派になんてなれなくていいから

淡い淡いやさしさ分かるひとでいたい

 

器用な人になれなくていいから

痛い痛い悔しさ分かるひとでいたい

 

(ひとでいたい  / 風見穏香)

 

 

会場から「ズズー」と音が聞こえる。

 

あちこちからズズーズピースプーズゾゾーと音が聞こえる。

かくなる私もズゴゴゴーてなってる。

 

親御さんに連れてこられたのか一番後ろに座りながらずっと俯いていた女の子の顔が、どんどん上がってきたのを見た。拍手なんて全然してなかったけど、気付くと遠慮がちに手を叩いていた。それを見てまたズゴゴる私。

 

そして、引きこもり状態だったという来場者の若者の方が、後日しーのすけのライブにひとりで足を運んだらしい。

 

 

それって、私的には「ものすごいこと」で。

 

本当にすごい。

 

 

すごい歌上手いとかカリスマ的魅力があるとかって感じは全然ないんだけど(ごめん)しーのすけに多くのファンと応援者がつく理由は、なんかこの時とても分かった。

 

友達だから、みたいな生ぬるい理由ではなく

「プロのシンガーソングライター」としての彼女をガチで応援したいと思った。

 

 

現在「負けるもんかっ!」全国ツアー中

 

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そんな彼女が8月5日に新曲を出した。

曲名は『負けるもんかっ!』

 

 

そして現在しーのすけはマイカーを運転しながらインストアライブで全国行脚している。山口で嵐に巻き込まれたらしいが大丈夫だろうか。

 

 

そして9月27日には

『負けるもんかっ』ツアーファイナル

~できるできないじゃない!「やる」んだ!~

ということで、150人規模の会場でワンマンライブを決行するらしい。

 

この規模でのワンマンは初めてらしく、彼女にとってもかなり大きな挑戦であることは最近の彼女とのやり取りで非常によく伝わってくる。

 

「真崎。毎日不安で死にそう」

「奇遇やな。私も消えたい」

 

そんな感じ。

 

私はともかく、しーのすけの場合は日に日に近付いてくるワンマン当日に向けて爆発しそうな不安と日々闘っている模様。朝は基本的にお腹壊してるらしい。

 

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風見穏香がワンマンライブをやる理由、風見穏香が応援される理由

 

しーのすけは、いつも「自分」と闘っている印象がある。私の目の前で「このままの自分じゃだめなんだ」と自分自身を叱咤している姿をよく見る。いつもなにかに挑戦しては凹んで自分を責めて「あーーー」と言いながら、日々もがいてなにかに抗っている気がする。極限の不器用さを誇る私から見ても最高峰の不器用さ保持してる。

 

 

正直、最初は「しんどそうな人だ」と思った。

 

私も人との比較や自己嫌悪でしょっちゅう消えたくなっているのだけど「このままの自分じゃだめだ」「自分に負けている場合じゃない」みたいな気持ちが芽生えることはあまりない。

 

それは、自分を追いつめているんじゃないのか。

それで、自分は大丈夫じゃないのに人に「大丈夫だよ」だなんて言えるのか。

 

そんな風に思っていた。

 

自分に勝つも負けるもないだろうよと。

もっと楽にかまえられた方がいいんじゃないかと。

もっと自分を受け入れた方がいいんじゃないからと。

その方が「人のため」の歌をうたえるんじゃないかと。

 

 

 

 

 

そんな考えが、少し前から変わってきた。

 

 

「しーのすけの「生きづらい感じ」がしーのすけの魅力な気がしてきた。だから当分生きづらいままで頑張って生きてくれ」

 

そんなことを伝えたら「おい!笑」と笑っていた。

 

 

しーのすけの歌を聴けば聴くほど、この歌は誰にでもない「自分自身」に必死に歌い聞かせている気がしてくる。

 

「負けるもんかっ!」て声を出して

そう自分はできると信じて

たとえどんな困難な状況も「私は勝つ」と決めたんだ

 

できる

やれる

負け顔なんかするなよ

 

笑って

吹っ切って

楽しんでこう

「よっしゃ行くぜ!!」って

 

(負けるもんかっ! / 風見穏香)

 

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いつも

負けそうで

吐きそうで

めげそうで

挫けそうで

逃げ出しそうで

死にそうで

(上記あくまで真崎予測で)

 

 

 

でも、なぜか、やっぱり歌う。

 

自分を鼓舞するように歌う。

闘うように歌う。

 

 

最初に歌を聴いた時といっしょの感覚。

 

そんな姿を見て、よく分かんないけど

なんか好きになって、応援したくなるんだと思う。

 

 

「しーちゃんがんばれ」

「しーちゃんいつも応援してるよ」

「しーちゃんの歌いつも聴いてるよ」

「しーちゃんの姿に励まされているよ」

「しーちゃんに負けずにがんばるよ」

「しーちゃん体には気をつけな」

「しーちゃん無理しすぎないでね」

「しーちゃんCD買ったよ」

「しーちゃライブ行くよ」

「しーちゃんがんばれ!!!!」

 

 

たぶん、なんかそんな感じ。

 

 

今回のワンマンライブも

「自分に負けないため」に挑戦しているのだと思う。

 

「誰かのため」にでもあるのかもしれないけど

たぶん「自分に負けないため」だと思う。

 

とても不思議なのだけど

その感じが「誰かのため」に繋がってしまう人だと思う。

 

そんな彼女を応援しに多くの人が集まるのは

しーのすけが不器用でも一生懸命歌って生きてる姿が

 

「しーちゃんのために」っていう

「誰かを応援する」ことの価値や喜びを誰かに与えている結果なんだと思う。

 

 

たぶん。

 

うん、たぶん、きっと。

 

 

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【ということで、9月27日ワンマンライブ行きませんか】

 

真崎とともに。(オプションのつもり)

 

たぶん今もツアー回りながら、すでに本番まで一か月を切ったワンマンライブに対して不安とか恐怖とかなんやらかんやらで「あああああああああ」ってなっていると思います。先日は「おおおおおおおおおお」というメールが来ました。 

 

でも「できるできないじゃなく「やる」」「勝つと決めた」みたいなので、そんな「生きづらいけどなんか踏ん張ってる系シンガーソングライター風見穏香」を、知っている方も一見さん(使い方絶対違う)もぜひいっしょに応援しに行きましょうというお誘いを4902文字を費やして書いてみました。

 

こちらからチケット予約できるみたいです。

そういえばまだ予約してない(今気付いた)

http://szk614.wix.com/szk614

 

よろしくお願い致します。

 

真崎

 

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