真崎です

沖縄にいます

科学が好き、開発がしたい、でも私にはその「適性」がありませんでした -就活を「適性戦」と語った理系大学院生の葛藤-

 

 

masaki-desuyo.hatenadiary.jp

 

要約すれば

 

・大学時代で自己分析は終わらない

・社会に出てから初めて知る「自分」もいる

・たとえ最初の会社が合わなくても、後から方向修正はできる

・そういう意味で、自己分析も就活も大学時代に必ず完結させる必要はない

 

という、経験に基づく真崎の仮説記事です。

 

就活という内容柄なのか、いつもより多めにメッセージをいただきました。(投稿時から「なにを甘いことを!」「辞めた企業に迷惑をかけておいて!」という反応がくる想定をしており、メッセージが来るたびにビビっていた)

 

 

そんな中、ひとりの大学院生からお問い合わせフォーム経由でメッセージ。見覚えのあるその名前は、以前に某ランチ会で出会った理系大学院生女子でした。

 

 

そのメッセージ(約3000字)を読んで。

 

1回読んで、考えて、もう1回読んで。

それを5ターンぐらい繰り返して。

 

 

そして、思わずその子に連絡しました。

 

電話番号を聞いて電話。

ブログ関係でこんなことしたのは初めて。

 

 

「この文章、そのままブログに載せていいかな」

 

快諾。ありがたい。

 

 

ということで、以下にその子がくれたメールをほぼ原文のまま掲載しました。改行や太字、表記の仕方で若干の編集を加えているが、内容はその子がくれたそのままです。

 

余計なイメージ抜きで、彼女がくれた文章をそのまま真っ直ぐ読んでほしいので、今回の記事における私自身の言葉は以上にしておきます。おおまかな文章の主旨はタイトルに込めてみました。

 

 

 

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真崎さん 

 

以前の女子会でお会いしたMです。

ちょっと引っかかることがあって、真崎さんの記事を読みました。長くなってしまったので、面倒になったらスルーしてもらって構いません。

 

 

「自己分析は就職活動が終わっても社会人になっても終わらせるべきではない」

私も激しくそう思います。

 

私は高校生のころ、世界飢餓がなくせるような植物の発明がしたいという大言壮語を吐きながら、生命科学部に進学しました。大学に入ってからその夢はあっという間に断たれましたが、それでも食品の研究が諦められなかった私は、限界を感じた生命科学の分野を飛び出し、農学分野の大学院へ進学。

 

自分は研究者になるということしか頭にありませんでした。その夢を持っていることが誇りでした。

 

 

ところが、いざ就活をしてみると、研究開発職とした枠を設けている会社にはひとつも通りませんでした。納得のいかなかった私は自身で適性検査を申込み、人事が見るような個人の適性資料を読み込みました。

 

読み込むまでもなく、自分には研究開発職という「新しいものを世に送り出す職がいかに向いていないか」が、そこにははっきりと示されていました。代わりに適性があると診断されたのは、顧客と密接に関わる職やサービス業でした。

 

学部時代に行っていた、学祭の運営スタッフや、公文式でのアルバイトといった経験が、研究よりも楽しいと感じていた私には、当たり前で残酷な結果でした。

 

完璧に別のものとして考えていて「研究はやりがいあるけど辛くて、イベント運営や接客はやりがいもあるし楽しい」が当たり前になってしまっていた。それを仕事に置き換えたら、研究開発に適性が出ないのは当然だったように思います。「働いてもみないで、適正なんて分かる訳ないだろ!」とも思いましたが笑。(もちろん頭が足りていなかった可能性もおおいにあります笑)

 

 

「やりたいこととできることが一致しない」

 

この悩みでどれほど悩んだか分かりません。

なのに、企業は枠で囲われた職でしか応募を受け付けず、他の職との併願もかなわない。自分の人生を決める選択に、どうしてこんなに早く決断を下さなければならないのかと、とても苦しい毎日を過ごしました。

 

それを証明するかのように、私が内定をいただけた会社は、仕事を事務職とも技術職とも区別せず「総合職」で採用を行っていた会社でした。どの職に就くのかは研修次第ですが、今はどんな職でも構わないと思っています。やってみることでしか分からないことがきっとあると思うし、技術職に就けなくとも研修を含めた配属までの時間で、自分ともう一度向き合いながら覚悟を決めていけばいいと考えたからです。

 

 

 

それでも、私の頭の中にはまだ『理系』というフィルターがかかっています。

 

本当に科学が好きで、理系であることを誇りに思ってしまっている。世界を回している技術は紛れもなく理系の力で、自分は農学の分野でその最先端と興奮を知っている。

 

 

アナライザーでもリサーチャーでも何でもいい。

 

「自分は技術者として生きたい」と叫んでいる自分も確かにいるんです。

 

 

現在就職を決めた会社には、研究職は存在しません。就職浪人をする勇気がない自分には、技術者でありたいという想いを叶えるためには、アカデミアに残るか、就職する業界を変えるしか道はありません。(食品業界の求人はもうほぼ終了しているので)

 

それでも食品業界に就職を決めたのは、技術は世界に還元されていかなければ意味がなく、自分は一般の人とより近い場所で、その還元作業を仕事としなければ身が持たないということを感じたからです。(それが、研究がしんどいと感じる理由なので…食品にこだわる理由はさらに長くなってしまうのでやめておきます)

 

食品メーカーで研究開発ができれば一番良かったのですが、世の中頭のいい人多いですから(笑)、そう簡単にはいきませんでした。就職活動のからくりも、就活を終えた今でもよく分かりません。

 

ただひとつ言えるのは『就活は「適性戦」である』ということです。ある程度の能力と足を使って人に出会う努力、残りは適性でほぼ決まります。だから、胸はってこれをやってきたと思うことがどれだけあっても、叶えたい夢があっても、理不尽な結果も当たり前のように降ってくる。

 

 

(ここからは超個人的な独断と偏見で綴られている私の意見です)

 

でも、私みたいな想いをする人が少ない、もっとマルチなタスクをこなす職種が将来生まれれば良いと思っているし、それを受け入れる会社や社会が創られればもっと良いと今は思います。

 

今までは考えもしなかった「いっそのこと起業してしまおうか」なんて考えも今ではありだと思っています。経営者に向いているかは別ですが(笑)。

 

結局そのためには社会勉強なので、企業に入るのが一番の近道かと考えています。昔に習うのもありだなと思って、今は歴史の本なんて読んだりしています。

 

 

学生時代に何をやっていようが、ダメなときはダメです(笑)。

ここまで科学が好きで、叶えたい夢がハッキリしていても、レールが敷かれているわけではない。常に自分に素直になって考えて行かないと、見えてこないものがたくさんあると思います。

 

 

真崎さんのこの記事は、最初からやりたいことを見つけないとやっていけないのか、自分の可能性を最初からひとつに縛らなければ社会に出られないのではないかという悩みを持つ人に、非常に勇気を与えてくれる記事だと思います。

 

真崎さんに、内定をもらった2社で迷っているとお話したとき、親身に聞いてくれた真崎さんの顔が、記事を読んだときに浮かんできて、思わずコメントしてしまいました。

 

何かの参考になれば幸いです。

 

M