真崎です

沖縄にいます

わたしの情緒が壊れる前に、マンガ『ダンダダン』を語りたい

 

わたしの日課といえば「食う寝る遊ぶジャンププラス」ってなもんで、数あるマンガアプリの中でも殊更ジャンプラ贔屓です。

 

左ききのエレン』に『忘却バッテリー』に『SPY FAMILY』に『姫さま拷問をはじめます』に『推しの子』に『恋するワンピース』に『トマトイプーのリコピン』に『オトメの帝国』に『阿波連さんははかれない』に『歯医者さんあタっています』に『怪獣8号』に『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』っっっっっ!!!!

 

てな具合に推し連載を並べるだけで、この世の幸福を指折り数えるような温かい気持ちになるのだけども、今年4月からスタートした文字通り化け物みたいなオカルトマンガのおかげで、ここ最近は幸せ通り越して毎週鼻血が止まりません。

 

 

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龍幸伸『ダンダダン』

(上のリンクから第1話が読めるよ!)

 

 

「はわわ~~!オカルトオカルト~↑↑↑」

ってな嬉し怖しでウキウキ読んでみた新連載第1回目。

すごかった。めちゃくちゃすごかった。I lost 語彙.

 

しっかりばっちりド怖いホラー、気味の悪いSF、ワクワクするような少年マンガ的異能バトル、そして嫌味なくポップに織り交ざるラブにギャグ。これらの要素を過不足なくまとめあげる構成のすごさ。

そして何より圧倒的作画。怖さもキモさもドカンドカン💣もトゥンクトゥンク💘も魅せ切る絵のすごさ。

 

もう徹頭徹尾ワクワクドキドキしっぱなし。

ページをめくる手が止まらない。

ついでに鼻血も止められない。

そして最後の見開き2ページ、思わず「なんでやねん!!!!wwwwww」って声に出して爆笑したからな。なんだかんだでギャグ系マンガが一番好きなわたしの性癖をラストでぶち抜かれた。「高倉健」でそんな笑うことある? いやない。

 

これはヤバい連載が始まったぞ~~~!!!

と恐れおののき歓喜に震え、その後も予測不能な展開で一切失速しない面白さを毎週享受し続け、て、

 

からの、本日更新、第16話。

 

 

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アクロバティックサラサラに、情緒をぐちゃぐちゃにされた。

 

なんの話?

だよね、まぁ落ちついて。落ちつけ私。

 

アクロバティックサラサラはとある女の妖怪、なんだけど、アクサラの前にまずはこの作品についてもっと語りたい。語って情緒を整えたい。じゃないと次話に進めない。

 

そんなわけで、ここからは

 

・ダンダダンってどんな話?

・ダンダダンって何がすごい?

・アクロバティックサラサラの何に情緒がぐっちゃぐちゃ?

 

について語ります。

どうしてもネタバレっぽい話も出てきてしまうけど、『ダンダダン』はマジで絵で見てナンボだから!それも書くから!

 

 

 

 ダンダダンってどんな話

 

幽霊を信じないオカルトマニアの少年・高倉と、宇宙人を信じない少女・綾瀬は、互いの理解を超越した圧倒的怪奇に出会う——…!オカルティック青春物語!!(ジャンプ+より)

 

です!

が!

ネタバレありだけど、もうちょっと踏み込ませてください!

ネタバレ嫌な方、ぜひ1話から読んできてください!

 

 

 

↓ ↓

 

 

幽霊を信じない高倉と宇宙人を信じない綾瀬が出会い、幽霊はいるいない、宇宙人はいるいないの話から

「だったら勝負しようぜ!!」

ってことで、ある日の晩、高倉は有名な心霊スポット、綾瀬が有名なUFO降臨スポットに出向くところから物語は始動。

 

で、高倉は「妖怪・ターボババア」に呪われ、綾瀬は「宇宙人・セルポ星人」に拉致される大ピンチ。

 

からの、ターボババアに憑かれて(イチモツ失ったけど)パワーアップした高倉&ピンチを前に超能力が開花した綾瀬とで、なんやかんやでセルポ星人に勝利~~~!ついでに2人もなんだかいい感じ~~~!

 

ってのがウルトラざっくりとした第1話のあらすじ。

 

(これ第5話のPRだけど、第1話のターボババア登場シーンではビビッて5秒くらい呼吸止まった) 

 

 

なんか1話目すごかったね!

絵もすごいし話も面白かったね!

 

ところで、ここから一体どうなるのかね???

ってなコメントもちらほら。

 

NARUTOだったら火影を目指す

ONE PIECEだったらワンピースを目指す

鬼滅の刃なら妹を人間に戻す&鬼の殲滅を目指す

ってな感じで、こと王道マンガであれば「第1話でなんとなくこの作品の目指すポイントが分かる」のがセオリー。

 

少なくとも、第1話の時点ではまだ『ダンダダン』の方向性は見えない。「この勢いで終われる読み切りのほうが良かったのでは?連載向きではないのでは?(ドヤァ」なんていきなり決めつけてる読者もいた。早漏かよ。

 

じゃあ2話、3話、4話と進むにつれてソレが分かるのか。

というと、分かりそうで分からない。

 

ターボババアの呪いを解く(高倉のイチモツを取り戻す)旅が始まる?

高倉×ババアの力と超能力で各地の怪奇現象を解決していく?

それとも、それとも、それとも……

 

「どこに進むのか毎度予測を裏切られるけど、とりあえず毎回めっちゃ面白い」ってのが、まずダンダダンのすごさだと思う。

 

 

ダンダダンって何がすごい?

 

つって前段ですごさ語ってる時点で構成が下手。龍幸伸さんの爪垢を煎じて奉りたい。

 

ただもう1つ、どうしても語りたいすごさがあるんです。

それが「ババアたちの愛しさと切なさと心強さ」なんです。

 

 (綾瀬のばあちゃん)

 

本作には現在までに

・綾瀬のばあちゃん

・ターボババア

・アクロバティックサラサラ

という3人の強キャラババアが登場している。うち2人は妖怪。綾瀬のばあちゃんもいろんな意味で妖怪。わりと全員妖怪。

 

綾瀬のばあちゃんは、初登場から一貫して「強くておもろかわいい人」だった。

線路に結界つくって待ってるシーンなんか超クールな一方、志村けんの大ファンだし、孫と口汚く罵り合いながらカニ奪い合うくらいのガキっぽさもあるし、そもそも髪型が縦乗せチョココロネだし、なんというか総合的にキュート。

 

ターボババアは、「最強の敵が味方っぽい存在になる」という古より伝わりし胸アツ展開で好感度爆上がり。今や強キャラマスコット的存在。

しかも、のちに分かるターボババアの出没理由には「なんだよ……ターボババアめっちゃいい奴じゃねえかよ……」と、思わず心ほだされるオレたち読者。悪役っぽいキャラの人情的な一面、野良犬に優しいヤンキーへのときめき理論。

 

このマンガ、主人公の高倉と綾瀬もすごく好きで愛せるキャラなんだけど、それ以上にこのババアたちが作品の魅力を底上げしてる。

コメント欄も毎度「ターボババア好き」系が4割占めてる(当社比)。

 

 

 

そして、ここに来ての、第3のババアことアクロバティックサラサラ。

 

 

(アクロバティックサラサラってどんな名前よwwwwwと思ってたら、ガチの都市伝説だったので泡吹いた)

 

’08年ごろからネット上で語り始められた、背が異様に高い女性の妖怪。赤い服を着てはだしというのが特徴。長くさらさらした黒髪で、左に多くの切り傷、口が大きく、眼球がなく、黒く染まっている。

 

この説明ママの見た目が爆裂怖かった、アクロバティックサラサラの登場回。

 

第15話までは、とにかく不気味で、そして敵役にふさわしく理不尽な存在。デカいけどめっちゃアクロバティックで、アゴ開閉の可動域がすごい。

 

ただ、そこそこ強いけど初期に出がちなザコキャラっぽさもあり、他のキャラ(特に初代妖怪・ターボババア)と比べると、そこまで強く惹かれる存在ではなかった

 

のだけど。

 

 

アクロバティックサラサラの何に情緒がぐっちゃぐちゃ?

 


 

ダメだ。

ここまで散々ネタバレしといてアレだけど、こればっかりはもう本当にマジで読んでくださいとしか。

 

愛しさ切なさ心強さのババア選手権、切なさ部門堂々の第1位。

昨日布団のなかで胸苦しすぎて全ワイが泣いた。そっから今の今まで何回も読んだ。

 

この回、途中からセリフも効果音もなし。

ただ絵だけで物語が進む。

絵だけで、すべての状況と、妖怪になる前のアクサラの気持ちが全部伝わってくる。

 

その絵の美しさが切なさを助長する。

ラスト4ページの救いのなさ、なのに、そのシーンが美しすぎて目が離せない。

 

これまでもずっと見せ方がエグすごかったけど、この回のソレは群を抜いて凄まじかった。無音の短編映画みて心わし掴みされた気分。

 

 

ストーリーそのものにも引き込まれるけど、これを絵で表現し切る龍幸伸さん、本当すごい……本当にすごいなぁ……

  

もう語彙力FLY AWAYで申し訳ないのだけれど、なんというか「わたしは今めっちゃすごいものを読んでいるんだな……」ってなお気持ちがすごいです。 

 

もう、読んでとしか……

みんな読んでください、としか………(合掌)

 

 

(もちろん投票した)

 

 

ここまで書くの4時間かかった。

脳から糖分抜けきったけど、情緒は落ちつきました。4600字の駄長文を読んでくださりとってもありがとう。

 

で、ダンダダン。

このアクサラ無音ムービー鑑賞からの展開がやっぱり全然読めなくて、火曜が終わった瞬間から次の火曜が楽しみです。

 

面白いマンガが読めてまことに幸せ☺

未読の方はぜひこの機会にダンダダン☺