真崎ですよ

ライターの真崎です。2016年6月より池袋→沖縄に移住しました。

お父さん、この還暦祝いでどうにかもうちょい元気になってください

 

 

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お父さん。

 

59歳。間もなく還暦。

最近、ちょっと活力がない。

 

だから、お父さんが元気になるような還暦祝いを買うことにした。

 

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きっかけはコレ。

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この募集を見て自分の買い物エピソードを引きずり出そうとしたけど「朝キャバ時代のママに『真崎、女は黙ってTバックだよ』と言われて下着売り場に出向くもあらゆる自意識が邪魔して結局いつも通りのピンク上下セット買って帰った」みたいな記憶しか出てこず泣いた。

 

なら今から何か買おうと思い、いろいろ考えた結果「お父さんが元気になるような還暦祝いを買おう」と決めた。理由は以下。

 

・個人的に直近欲しいものがなかった

・だったら誰かに何かをあげようと思った

・まずは家族を思い浮かべた

・今年のお父さんの誕生をスルーしていた

・今年の父の日をスルーしていた

・なんなら数年分スルーしていた

・お母さんの誕生日と母の日は不定期で回収していた

・その事実に気付いた瞬間「ごめん父」となった

・そういえばお父さんがもうすぐ還暦だった

・これだ

 

 

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お父さんと私。

 

今年の8月、両親と3人でマレーシアに行った。

2ショットを撮る際に肩を組んでこようとしたお父さんから無意識で半歩距離を取ってしまい、行き場を失くした父の左手が心霊写真のごとく宙をさまよう。お父さんが嫌いなわけではなく私の中の生理的な何かがそうさせた。ごめんな。父親と娘ってそういうもんだよな。

 

 

今はこうして一緒に海外旅行できるほどの体調になったけど、3年前の2013年2月、お父さんは脳出血で入院している。

 

幸い命に別状はなかったけど、右半身と発語に麻痺が出たため仕事を休職して入院しながらリハビリをすることになった。

 

で、数ヵ月くらいで無事に復帰した。

 

けど、病気前と比べると明らかに白髪が増えて腰が曲がって体が縮んでハゲは現状維持で全体的に元気っつーか活力がなくなった。背中を丸めてご飯を食べながらローカルの旅番組を観ている姿の初老感がすごい。

 

 

「趣味や日々の楽しみがないと、人は早く老いる」

 

そんな話をどこかで聞いた。

 

退院後のお父さんが光のスピードで老いていく姿を見て、私は少し不安になる。病気の影響ももちろんあるけど、日々の楽しみや刺激のなさが父を余計に老け込ませている気がする。

 

最初に載せたやり取りは、以前お父さんとふたりで行った温泉旅行のワンシーン。どうしても気になってしまい、思わず「趣味や楽しみはあるのか」と聞いてしまった。

 

そしてお父さん、はっきり言った。

「ない」

 

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この会話は大いなるモヤモヤに形を変えて、いまも私の心に巣食っている。

 

お父さんに何かをプレゼントするなら「お父さんの日々に活力を生んでくれるようなサムシング」がいい。

 

そう思い、親不孝を続けた娘による「父の還暦祝いプロジェクト」を発動した。

 

 

*******************

 

発動から2秒で困った。

何買お。

 

 

過去に私が父に買ったプレゼントといえば

 

・湯呑

・ビールジョッキ

だけか。

びっくりした。少な。引くわ。

 

そもそもお父さんにプレゼントをすること自体いつぶりか分からない。お母さんにはポツポツ贈り物をしていたのに、気付けば謎で雑な贔屓が起きていた。

 

お父さんって、50代男性って、いったいどんな物が欲しいんだろう。離れて暮らすお父さんしかり、普段接点がなさすぎて全然ピンとこない。

 

 

「これまでお父さんにプレゼントした物は?」と、周りの友人たちに軽くリサーチしてみたところ

 

・時計

・ネクタイ

・定期入れ

・財布

iPod

・旅行券

 

などが上がる。

どれも無難にアリなんだけど、今回のコンセプトからは少しずつ逸れる。どれも安い湯呑とビールジョッキよりは上等だがな。

 

 

「お父さんが元気になりそうな物をプレゼントしたいんだけど、何がいいかな?」

 

信頼する友人たちに相談してみた。

 

 

「ちょい悪っぽいカッコ良さげな服とかどうかな? 見た目が若返ると気持ちも元気になるって言うじゃんね」

 

 

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なるほどな。

アリかもしれない。

 

ちょい悪オヤジの代表格・ジローラモさんのような服を着てみた父の姿を思い浮かべてみる。

 

 

 

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違う、これアカンやつや。

 

良いイメージが一切沸かない。

どう頑張っても生気を吸われたタモリさんしか想像できない。

 

そもそも私自身にファッションセンスが皆無だし、下手すれば父の人望や自尊心を根こそぎ奪うかもしれない。この案は見送った。

 

 

 

「筋トレグッズとかどうかな? 私は前に腹筋マシーンのアブトロニックをお父さんにあげたことあるけど、結構ハマって運動始めたよ」

 

item.rakuten.co.jp

 

なるほどな。

そういう手もあるのか。

 

アブトロニック懐かしいな。あげたらお父さんムキムキになって若返ったりするかな。

 

 

 

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絵面がアウト。

 

ムキムキになる前に、アブトロニックでブルブルしているお父さんの姿になんだか私が耐えられない。

 

 

次。 

 

「もともと運動好きのお父さんなら、無難にスポーツウェアとかいいんじゃない? 実用性もあるし、イケてるデザインのやつにしたら見た目も若返りそう」

 

 

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うん、アリ。 

 

 

昔から散歩やランニング、山登りが好きだったお父さん。そういえばこの前実家に帰ったときに

 

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain <最近ちょっと走ったりしてるんやでー

 

と言っていた。

病気前の活力が戻りつつあって嬉しい。

 

となれば、スポーツウェアは贈り物としてピッタリではないか。

 

相談や熟考を重ねること2週間。ようやくしっくりくるアイデアに出会った私は、さっそく沖縄にある大型スポーツショップに向かった。

 

 

 

 

 

 

たっか。

スポーツウェア、高すぎて詰んだ

 

スポーツショップで買い物をすること自体バレーボールをやっていた大学以来だし、そのとき買ったのも2000円くらいのスポTだった。普段から古着を愛用しており、服に対する価格イメージはせいぜい2000~4000円がいいところ。

 

「大奮発して上から下までトータルで買ってあげようかなフフ」なんて余裕ぶっこきで諭吉1枚だけ財布に入れて店行って値札見てソッコー心折れた。なめてたー。

 

トータルコーディネートを早々に諦めて、なんのウェアを買おうか店をウロウロしながら考えた結果

・冬に備えた防寒パーカー

・常に頭が寒そうだからキャップ

 の2点にした。

 

買い物の途中、お父さんに電話をかける。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain もしもし。

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain どうしたん。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain 何色が好き?

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain なんやいきなり。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain なんもない。何色が好き?

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain うーん、黒とか暗い色かな。なんで?

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain ありがと。またね。

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain うん。

 

暗い色のパーカーと帽子を探してみた。

 

微量のセンスを振り絞って品定めすること2時間。

 

 

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買った。

 

シャカシャカパーカー(8532円)

キャップ(2592円)

 

諭吉1人じゃギリ太刀打ちできずに、羞恥心抑えながら近くのATMで2000円おろした。

 

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え、これアリかな。

 

どうかな。センスだいじょうぶかな。

自分で選んで買った服をブログで晒すってこんなに恥ずかしくて手足震えるものなのかな。

 

いや、でも大切なのはセンスじゃなくて心意気っつーか「自分のことを思いながら娘が一生懸命プレゼントを選んでくれた」って事実が大切だからーつって自分に言い聞かせてないと死ぬ。「お父さんにプレゼントを買う」っていう行為がなんだかもう凄まじくモゾモゾする。

 

スポーツショップのレジ袋にそのまま丸め込んで、何のメッセージも添えず郵送した。郵便局に預けてからもしばらくソワソワした。

 

 

************************

 

郵送から2日後。

お父さんからメールがきた。

 

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だよね。

誕生日も父の日も華麗にスルーし続けた娘から唐突にパーカーと帽子送られても「???」ってなるのすごく分かる。

 

 お父さんに電話をかける。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain もしもし。

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain ありがとうなー。どうしたんや急に。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain いや、なんかさ。

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain うん。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain なんかな、仕事っていうかそういう感じのやつでな、買い物をしようみたいなコンテストがあってな、買い物しようと思ってんけど私ほしいものなくってな、そういえばお父さんもうすぐ還暦やし最近誕生日とか父の日とかずっとなんもしてなかったからお父さんに何か買おうと思って最近運動し始めたって聞いたからスポーツウェアにしてん。

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plainそういうことか。いやありがとうな。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain サイズ大丈夫やった?

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain Mはギリギリやけどまあ。

 

f:id:ai-en-house:20161026164542j:plain 気が向いたら着てな。

f:id:ai-en-house:20161026161653j:plain 大切にするわ、ありがとな。

 

 

そして、写真が送られてきた。

 

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すごいなで肩。

 

でも、うん、似合ってる、わりと似合ってるよ。

ふざけて蛍光ピンクとかにしなくてよかった。 

 

娘の愛情と困惑とギリギリのセンスがつまったこのパーカーと帽子つけて、冬場もいっぱい走ってくれな。活力上げてもうちょっと生き永らえてくれな。

 

不慣れな親孝行。買い物から執筆まで終始ヘンな汗をかき続けてきたのでもうHPがゼロ。照れと羞恥とあらゆる感情うずまく瀕死の娘からは以上です。

 

真崎