真崎ですよ

ライターの真崎です。2016年6月より池袋→沖縄に移住しました。

「書くこと」「発信すること」はひとの人生を簡単に破壊できるという話 -大炎上を経験した看護師ライター依里楓さんと飲みました-

 

本題への前ふりが長くなるのだけど

嫉妬するぐらい好きな書き手さんが3名いるのでまずはご紹介させて下さい。

 

 

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トイアンナさん

 

 

いつもブログが更新された瞬間烈火の如く速攻で記事を読みに行く。ブログ以外にも様々な他媒体で就活系コラム・キャリア論・恋愛分析などの記事を書かれており、その全てに蛾の如く群がる私。少し前には最近おっさんをレンタルされたらしい。

(1)おっさんを1時間1000円でレンタルしたらハイスペぞろいだった【連載】外資系OLの大人社会科見学 | 企画 | 街角のクリエイティブ

 

 

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塩谷舞さん

 

 

フリーランスでインターネット界隈のことなんでもされている感じの方。オウンドメディアの立ち上げや編集長、イベントレポや運営、インタビュー、webプロモーション戦略のお手伝いなど拝見する限りすげーマルチ。

 

7月には塩谷さんが登壇されたインターネット勉強会に参加してミーハーなノリで2ショットも撮らせてもらったけど「遠近法?」ってぐらい顔の面積違ったショックであれから見返せていない。

 

塩谷さんが書く文章は、言葉が上手い構成が上手い(も当然あるけど)云々を抜きにして「文章に込める熱量にドキドキする」という表現が一番しっくりくる。そして塩谷さんが記事を投稿すると爆速で拡散されていくので、その様子を会社の先輩と「出たしおたん砲」などと言いながら眺めることも。

 

その影響力に恐れ多くも畏怖尊敬と嫉妬の念を抱き、露骨なぐらい嫉妬感むき出しで書いた「「人の心や足を動かす文章を書きたい」という想いを、人の文章に心と足を動かされて日本一美味しいチーズケーキタルトを食べた後に記録しています 」の記事をありがたくも塩谷さんが拡散して下さり、しおたん砲の恩恵によりこの記事1日で1万PVいったのでもうなにも言えない。

 

 

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依里楓さん

 

 

キャバクラ嬢の看護師。

プロセスレコードというブログを運営されており、その1記事目「男性依存のサキちゃんは風俗嬢へと転身しました 」が速攻炎上。学生時代からライターをされているのを見てきたが頻繁に燃えていた。看護師になってからもやはり燃えた。

 

ただ当初より楓さんの文章には「炎上させて注目集めてPV稼いでやろうクヘヘヘ」的な気持ち悪さが一切なく、起きたこと思ったことをただ淡々と書いている印象。その文章になぜか反応してアクション起こさずにはいられない読み手の気持ちはイチ読み手としてなんか分かる。人の感情を動かす(≒逆なでする)ことを天性の才能として持ち合わせている気がする。

 

 

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文章が好きなライターさんだけならもっとたくさんいるのだけど「嫉妬」という少し特別な感情を抱く方々がこちらの3名。嫉妬って人間っぽくて好き。

 

その方々繋がりで最近嬉しいことが2つあった。

 

 

1つ目。

 

 

 

 

塩谷さんがね、ほめてくれました。

(小2のテンション)

 

 

この時ちょうどリビングの床上で這いつくばっていたのだけど、通知が来た瞬間嬉しくてきゃあきゃあ言いながら床上をコロコロのたうち回った小物感。だって嬉しかったんだもの。

 

 

 

 2つ目。

 

 

 

依里楓さんが、飲みましょうですって。

(酒好きのテンション)

 

 

自分が好きな人から「自分も好きでした」なんて絵に描いたような相思相愛。これ高校生くらいの時にやっときたかった。取り戻したい青春の日々。

 

そしてそのお相手からこのあと速攻で「この日とこの日が空いています」と具体的日時を添えたデートのお誘い。生きてて良かった。恥ずかし気もなく赤裸々ブログ書いてて良かった。

 

※ちなみに「黒沢一樹さん」という方は、私たちの共通の知り合いであり、「NPO法人 若者就職支援協会」の理事長をされている方。呼び捨てだったので「ずいぶん親密なんだな」と思ったけど、単純に「さん」を忘れたらしい。

 

 

 

 

そんなわけで、楓さんと飲んできた。

 

 

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ディープな街、新宿ゴールデン街で。

 

彼女行きつけのバーを2件はしごした。最後の方はわりとべろべろになってイケメン外国人観光客2名に英語で悪がらみしていた記憶しかないので割愛する。

 

 

 

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大きなコンプレックスを抱えた自分に自信のない状態で、得意分野に特化するかあるいは年功序列で社会的地位が上がってしまうと、「知らないことがある自分が許せない」状態になって他人に被害を出してしまうのだそうです。日々戦々恐々じゃないか。そういった大人にならないよう頑張ります。

 

ー プロセスレコード「コンプレックスの隠し方」より

 

 

実は、楓さんと会うのは3回目。

 

前職時代に2度お逢いし、それぞれ本当に短い時間ではあるが言葉を交わし、お互いの存在は知っていた状態。

 

現在は(閉鎖的イメージのある「病院」という)組織に属されている方なのであまり詳しくは書かないが、学生時代から学生団体や女性支援、そしてライター活動に精を出されていた彼女は、ネット界隈や看護系学生界隈ではちょっとした有名人だった。ちなみに美人である。

 

 

現在は看護師。

「月に約13人亡くなる現場にいます」とのこと。

 

 

そんな彼女と面と向かい、ハイペースでお酒を煽りながらお話していると、まあお互いの共通事項である「ライター」の話になってくる。

 

話題は「炎上」について。

 

 

大炎上から4日(厳密には5日)、分単位でTwitterに届いていた誹謗中傷リプライがようやくほとんど消え去りました。クズやらキチガイやら殺したいやら何百件何千件と目にするとさすがに消耗しますね。

 

「一般的な意見ではない」ということだけで他人をここまで否定できる悪意の塊に巻き込まれて、インターネットの中は超重度の不安障害なんだなーなんて呑気に思いつつも、肯定的な意見を下さった方まで攻撃的な言葉に巻き込まれてしまったことが何より腹立だしくて、友人たちに心配をかけてしまったことがものすごく申し訳ないです。

支えて下さる方々のおかげで精神的に崩壊せずに済みました。

 

ー 本人のSNS投稿より(一部省略)

 

 

「なぜかよく炎上するんですよね」

飄々と話す彼女。

 

確かに彼女が書くとよくバズりよく燃える。

 

PVも跳ね上がるだろうが精神的ダメージも計り知れないのではと、サーバーが落ちるほどの大炎上を経験したことがない私は想像して震える。しかし「慣れた」と語る彼女。炎上騒ぎで培った圧倒的レジリエンスに感服。

 

「あ、でもあの時はちょっと死にたかったですけどね」

そうですよね。

 

 

女性、性、親子、家族。

 

彼女の取り扱うテーマは、おそらく燃えやすい。

それだけデリケートな話題だから。

 

さらに彼女は飄々と少数派意見を提示し、多数派や世の中の風潮に対する違和感を臆さず表現する。よくある「自分の正しさを主張するために他者を否定する」という自己顕示欲丸出しの気持ち悪い文章ではなく、あくまで冷静で淡々とした語調で書くので、逆に人を激昂させるのかもしれない。

 

女子大生

キャバ嬢

ぽっと出のライター(と本人が仰っていた)

など。

 

彼女の立場も叩きやすい材料になったのではと思うのだけど、でも本当に、本当によく燃えていた。

 

 

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「リスクを考えていないライターが多いです」

 

 

楓さんが発したこの言葉が、とても印象的だった。

  

リスク。つまり危険。

 

 

「書く」「発信する」

 

この行為が持つ、時に殺人級にもなる危険性を分かった上で文章を書いているライターが、彼女の感覚では「あまりいない」そうだ。

 

 

書くことで

発信することで

 

人の人生が、いとも簡単に壊れる。

 

 

それは、容易に起きうる事態。

 

飲酒運転をTwitterに投稿した男子学生がネットで吊し上げられて本名学校名経歴その他個人情報がすべて晒され、彼の日常生活がいとも簡単に崩壊した事例があるように。

 

  

彼女の場合、自分の人生が壊れかけた。

 

まず前述したように、ネットで悪意しかない言葉の数々に精神をやられた経験がある。個人的にこれ人によっては死んでると思う。本当に。

 

 

そして

 

「もしかしたら、最悪看護師になることができなくなったかもしれない出来事もありました」

 

ネットの世界にとどまらず、彼女に対する悪意は現実世界にもその手を伸ばしてきた。彼女の進路と未来に関わる事件。死にはしないが人生は大きく変わる。

 

 

  

自分だけではない。

 

人の人生を壊すこともある。

 

 

「例えば、私が書いた記事を読んで「自分が否定された」と思って死にたい気持ちになる人がいるかもしれない」

 

楓さんが仰っていた。

大げさではなくその通りだと思った。

 

 

例に挙がったのは、川崎市で起きた中学生殺人事件。テレビやネットでも話題になったあのニュースで、驚いたのは「被害者の母親が悪い」とシングルマザーの母親を責め立てる記事を某著名人が書いていたことだ。

 

個人的に、これは殺人レベル。

 

なぜ書いた?

そこに社会的意義は?

今書く意味は?

書いた先になにが起きるか最悪の想定はしたのか?

貴方の影響力を考えなかったのか?

 

非常に腹立だしかった記憶がある。

楓さんがその話題を持ち出したとき、その感情が鮮明に浮かんだぐらい。

 

 

川崎市の事例とは異なるのだけど

 

 

最近こう思うことがとても多かった。

この件になると感情的になってしまい、言葉が悪くなってしまって非常に恐縮。 

 

 

 

「見る側の自由」ということで、別に自分が見たくなければ見なければいい話。それはその通りだと思う。

 

 

が、それは「書き手」の言い分ではないのでは、と思っている。

 

「発信した先にある人々の顔を想像すること」を、言葉を発信する人は怠ってはいけないのでは。そんな感じ。

 

想像には限界があるし、すべての人の心情などきっと配慮はし切れない。世の中に100%正しいことなどほぼ存在しない、そんな中で自分の主張を発信した場合に、それに反対する人、不快な思いをする人、時には死にたくなる人が出てくることを「絶対避ける」のは無理だと思う。

 

 

無理だけど

でも考える必要はあるでしょう。

 

 

 

 「とても不快な気持ちになりました。あなたは精神的に追いつめられて子どもを病院を連れていった親の気持ちが分かりますか?」

 

「今でも病院に連れていって薬を飲ませる判断をしたことが正しいか不安になる。結果子どもは安定しているけど、この記事を読んでまた不安になってしまった。私は間違っているのか」

 

 

そのようなメッセージをもらったことがある。

 

私が過去に「不登校の子どもを精神科に連れていって薬を飲ませるのは正しい対処なのか」といった記事を書いたときのこと。

 

 

その主張自体が間違っていた云々ではなく、単純に「配慮が足りなかったこと」を猛省する出来事になった。

 

不登校に関わる当事者界隈の方たちは、ただでさえ精神的に不安を覚えている人が多かった。その人たち向けに書く記事で、私が「私の正義」をつらつら主張することになんの意味があったのかと思う。

 

 

 

 

「誰でもライターになれる時代ですもんね」

「ね」

 

ビールを飲みながら、楓さんが頼んだ「洋風シメサバ」をつつきながら、哀愁を漂わせる酒飲み女子2名。

 

 

自分の言葉をマスに発信することも、「ライターになること」も、とても簡単にできる社会になった。個人の持つ影響力が大きくなっている。

 

 

「私は楓さんのような強い影響力がほしいです」

私は言った。

 

「私も影響力はほしいですよ」

楓さんも続いた。

 

 

 

「でも、自分の影響力が大きくなるということは、それだけ自分や誰かの人生を壊す可能性も大きくなっていることを、発信者は理解しておかなければいけないと思います」

 

 

 

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今の病院に入職した時、「貴方達は看護師になったんだから、これからは人の命のために、休みの日も自分でお金を払ってでも学会へ行き、知識と経験を積み重ねるのです!」と偉い人が話していた時に真っ先に「いや出張扱いにしろよ」と心の中で突っ込んだのはきっと私だけでは無いはず。

 

ープロセスレコード「看護師になって2か月半、水商売に戻りたいと思う理由」より

 

 

 

「楓さん」

「はい」

 

「楓さんが以前のようにライター業界に戻ってきたら、楓さんの言葉やエピソード、影響力を求めるメディアで引く手あまたになるって思っています」

「いやいやそんな」

 

「そうなったら私絶対めっちゃ嫉妬します」

「笑」

 

 

「でも、楓さんみたいなライターさん、私はやっぱりすごい好きで、やっぱりたくさん書いてほしいしたくさん読みたいです。たぶんいつか戻ってきますよね。めちゃ待ってます」

 

「なんか、ありがとうございます笑」

 

※ちょっと困らせている

 

 

 

 

 

すでにお声がかって諸媒体で記事書かれていました。

さすが。妬ける。好き。

 

 

真崎

 

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